さよなら。 感想
★あらすじ
今、世界には19歳の人間しかいない。
二十歳の誕生日の日、人は必ず死を迎える。
既に二十歳から老人まで、大人は消えてしまった。
新しい生命も産まれてこなくなった。
まだ人が大勢いた頃、その人々はこれを『大過』と呼んだ。
理由なんて誰にもわからなかった。
国上東児は三月三十一日に産まれた。
残されている、少し昔の書物で自分が産まれた年から後、新しく産まれてくる人間はいないことを知った。
東児はこの世界で最後まで生きる人間である。
悲観などしていない。
しかし。
それは自分一人だけだとしたら、である。
残された1年、奇妙な巡り合わせで、東児は幾人かの存在と出会う。
その共に過ごす日々は、時に楽しく時に辛い。
そして。
全く容赦なく、二十歳の誕生日、確実に死は訪れる。
別離は必ずやってくる。
奇蹟は起きない。
季節が通り過ぎる中、美しく汚くすぎた日々を思い出しながら。
あなたは微笑んで言えますか?
さよなら
★感想
この話の進み方として春夏秋冬で進んでいく。
その季節ごとに各女の子たちと出会っていきます。
あらすじにもある通り、二十歳になった時に死を迎えてしまう。
そして大人たちもいない上に主人公からあとはの若い世代ももう居ない時代のお話です。
主人公は習慣でとある廃校の屋上で夕方に景色を眺めるというものがある。
そこで出会う不思議な女性。
不思議な雰囲気纏っているので話のキーになることはすぐ分かるかと思います。
あとは冒頭の主人公が誰かの手を引いて走る夢を見るのですが、これもまあ後々わかります。
そして物語の始まりは春。
主人公が19歳になった瞬間から始まります。
とある日に桜を見に行く主人公。
その桜が沢山咲いているところに少女と出会う。
主人公は2年ぶりの人との対面だそう。
そしてその女の子と生活をしていくわけですが、その子はもうすぐで二十歳になる。
その短い間共にすごしていく。
そして少女の最後を看取る。
基本的に夏も秋も冬もそんな感じで過ぎては行く感じではあります。
だいぶ終末物ぽい雰囲気もありいい感じにお話は進んでいきます。
が、冬になり流れが変わります。
伝奇物ぽい感じになります。
元々主人公の祖先は周りの集落から鬼と呼ばれて蔑まれていたそうです。
その集落はいい鉄が採れると刀を作るのが盛んな村だったそうな。
ある時にそこの長が道に迷ったから助けて欲しいという5人の人を助けるのですが、これは罠であり、この5人に殺されかけててしまう。
そして妹の手を引き山に逃げて、追い詰められた主人公と妹。
そこに雷が落ちて主人公と5人の武者たちは亡くなるわけです。
が、何故か妹は生き延び、そして不老不死のような身体を手に入れたのでした。
その妹が主人公が屋上で会っていた女の人。
そして冒頭で見ていた夢は村の長が妹の手を引いて逃げていたシーンなわけです。
主人公は何故かこの長の霊が入り込んでいたみたいです。
この妹の名前は千登勢というのですが、彼女が屋上で夏の時期に主人公に「これから色んな人に出会っていくと思う、今までとは打って変わって」的な話をします。
多分なんですが、この出会った少女達はおそらくではあるけれど昔、千登勢の村を襲った武者たちの子孫なのかなぁと。
特に冬の話からではあるんですが、その時に出会った少女はずっと鬼を殺すように育てられたと発言しています。
夏に出会った少女も銀色の髪をした鬼に復讐と言っておりました。(この時の主人公も村の長も銀髪)
ここら辺から恐くそうなのかなぁと。
時々、主人公の内側から長が語りかける憎しみの言葉からみてもそう捉えてもいいのかなぁと。
終末物と見せかけての復讐劇だったようにも思う。
最後に見たルートの紅葉達のお話。
これは死んだはずの人間がいるはずがないという発言やあの双子の服装から見て怨霊とかの類なのでしょうか……
あと復讐は復讐を産む的なものもあるように感じました。