瀬里奈 感想
人里離れた山奥の小村、上森村。
失踪した彼の恩師から届いた一通の手紙をきっかけに、大学生の青年、高阪直人は夏のある日、民俗学の研究のために上森村にやってきた。
その道中で出会った可憐な少女『瀬里奈』と直人は、上森村の名家である周防家に逗留することになる。
そして……2人は村で異常な出来事の数々に遭遇する。
「……今宵は、あなたに御奉仕させてくださいな」
ー彼の身体を「しきたり」と称して求める奥方。
「したい?私と。私を犯してみたい?」
ー夜毎に姿を見せ、彼を淫らに誘惑する白い装束の少女。
ーそして、その少女を集団で陵辱する村の男たち。
「すき……好きなの、直人……」
非日常的な環境の中で、直人と瀬里奈は互いに強く惹かれ合い、激しく何度も身体を重ねていく。そして……
★感想
まず一言。
面白かった!
ちゃんと村の因習がしっかり描かれていたのとなんとも言えない村の怪しさがちゃんと垣間見れていたのと、村のしきたりが小出しにされたりといい感じで気になり次から次へと読み進められた1作でした。
結局バスの中で瀬里奈と直人が出会ったのは必然だったなぁと思うしそうだと思う。
田中先生なかなかに策士……。
この村の人達は自分達の存続のために那由多姫を護らなきゃいけない為に(那由多姫の魂が消えてしまうと自分達も消えてしまう)その魂の存続を守り続け、田中先生は元々、周防の長男であったがこの村の存続とは関係なしに幼い頃から那由多姫に心惹かれ自分の物にしたい想い、そして雪奈と瀬里奈は普通に生きていきたい想い、多香子は田中先生に見放されたと思い(田中先生と多香子は夫婦)そのあとの生活で色々苦しめられ恨みを持っていて、その恨みで生きていた。
この人々の思惑が行き交う様がよくかけていたと思う。
結構この村のしきたりの設定がかなり細かく設定されていてそれもGoodでした!
なるほどなぁと思って読んでました。
TRUEでは家族愛がテーマだったのかな?
あとやり直しはいつでも効くというものだったと思う。
余談
上森村の守ろうとしてた文化と秘密と主人公の秘密
上森村の秘密
不老不死の技術
何百年も前にある一族が不老不死の術を完成させる
一人の少女に術を施す
だがその少女の肉体はなし
その少女の名は那由多姫
どうやら何人も那由多姫が作られたらしいが那由多姫は一人
この術を作った一族はこの力を自分たちのものにしていたがある時村に悲劇
疫病が流行りこのままでは村の人々が死に絶えてしまう所まで追い込まれる
那由多姫を作った一族は姫の力を村人に分ける
まずは村の周囲に祠を設置し、結界を張る
そして新たな術を使って、那由多姫の力を村中に巡らせる
姫の力は姫の体液や血液を摂取することで弱いながらも他人に受け継がれる
それで全滅を守られた
しかし長寿システム再構築のため姫の不死性の一部を使用したせいで姫の術は不完全なものに
不老の力が失われ魂の存続には新たな肉体が必要になった
姫が亡くなればこの村を囲ってる不死のシステムが消えてしまう
なので魂を移転する術を作る
その力をめぐり争いが起き、この術を手に入れたのが周防家
で、雪奈がそのよりしろに選ばれたが失敗することは目に見えていた(文献で双子では上手くいかないことが書いてあったため)のでひとまず瀬里奈だけを連れて逃げて那由多姫の魂だけを消滅させる方法を見つけた時に戻るつもりだった
その那由多姫の魂を消し去る鍵が主人公
不死の力を生み出しかつて上森村を支配してた一族
その末裔らしい