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エロゲは酒の如し

エロゲ、美少女ゲー、ノベルゲーの感想書きます

WW&F~大正帝都伝奇譚~


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夜ごと怪盗や物の怪が跋扈する帝都。
検事と探偵が走り回り、奇妙な館で事件が起こる!

 

「みず」移しを専門とするみずやの主人公はある神鬱より奇妙な仕事の依頼を受ける。
それは「みず」の減った体内に他人の「みず」を補充するというもの・・・。そもそも「みず」は増えるものであって減るものではないはず。興味を持った主人公はその女性が住む青龍館に向かう。

時を同じくして「青龍館」でも騒ぎが起こっていた。
「猫面相」を名乗るものから「賢者の眼を頂戴に参上する」という奇妙な横苦情が届けられたのだ。私立探偵「夏来」を伴って操作に訪れた検事局の遠山検事は「賢者の眼」なるものはこの屋敷には無い。と告げられる。そして彼は警官隊を屋敷に入れないかわりに夏来と2人で館内を捜査する許可を取り付けたのだった。

はたしてこの2つの事件の関係は?賢者の石とはいったい??

 

 

 

感想

 

 この話は5話に別れていて、それぞれ起こる問題をみずやと探偵達と解決していくお話であります。

 

では一旦各お話のあらすじ紹介。

 

第一話 ヘルメスの瞳

 人の生命や記憶、技能の源である「みず」。叶野静麻はそのみずを人に移すことのできる「みずや」だった。馴染みであり今や押しも押されぬ花街一の花魁、乙松太夫の依頼で新造の真絢にみず移しを行うことになった静麻。一仕事を終えた静麻は懇意の漢方医である昆野直人から続けて仕事を持ちかけられる。大須賀男爵家令嬢、咲子。静麻でさえ聞いたことのない、みずが減り続けるというその奇病。

 探偵の天宮夏来は、検事局の検事である遠山大輔と共に大須賀男爵家の邸宅、青龍館を訪れる。最近とみに帝都を騒がせる怪盗、猫面相によって「賢者の眼」を頂くという予告がなされた為に。そして静麻は、妖精のミコミコを連れた夏来と顔をあわせることになる。

 

メイドの吾妻梨花に案内され、大須賀家当主の左右衛門と面会した静麻と夏来。だが二人は数日の延命に拘る男爵に違和感を覚える。咲子のみずを口に含んだ静麻は、得体の知れない異形が彼女のみずを奪う光景を脳裏に浮かべた。それはさておき急務として、適合するみずを補充すべく、日に当たれない体質の書生、香月林太郎のみずを咲子に移した静麻。
一時は起き上がれるまでになった咲子だが、他者との接触がないにもかからわず、なぜかみずは急激に減り続ける一方だった。再度のみず移しを終えた静麻は、他者には通常猛毒であるみずを、以前のように薄めることなく自身に取り込んだ。そして彼女の意識と同一した静麻は、異様な触手になぶられる咲子と、それを眺める左右衛門の姿からそこに人為の介在を確信する。

そんな中、屋敷の壁中から女性たちの腐乱死体が発見される。それはすでに遠山がある程度の目星をつけており、以前青龍館に出入りしていた「魔術師」が引き取っていたはずの女性だった。すでに死亡した魔術師との関係について問いただす遠山を煙に巻く左右衛門。そのさなか、屋敷ににわかに霧が立ちこみ始める。それは始まりの狼煙だった。
一ヶ月前、魔術師たちを使い咲子を依代に、異界の力の塊である賢者の眼の召喚を試みた左右衛門は、失敗こそしたがその繋がりだけは確立した。この一月、咲子の体液とみずを吸い続け、ついにその母体から顕現しようとする賢者の眼。その事実を、同じように賢者の眼を狙っていた、不死者の正体を現した香月が静麻たちに明かす。左右衛門のような俗物ではなく、自らの「主」にこそその力は相応しいと語る香月。
そこへ予告どおり猫面相が現れるものの、香月に抗することはできなかった。だが遅れてやってきた夏来の放った、十四年式拳銃の銀銃弾によって香月は倒れる。そのみずを吸い尽くしたことは賢者の眼と依代の融合を促し、咲子は首だけとなった香月を拾い上げ、いずこかへかき消えた。

 

 

第二話  夜雀の鳴く夜

 官憲に追われる猫面相の気球が長屋に墜ちたことで、廓に転がり込んだ静麻。乙松から、真絢を含め十数人の女郎が姿を消した事実を知らされる。時を同じくして夏来の元に漢方医の昆野から依頼が舞い込んだ。少なくない廓通いの客が血を抜かれて絶命するという事件。
青龍館で出会い現在はカフェの女給となっていた梨花と偶然再会した静麻は、カフェの二階にある夏来の事務所を訪れることになる。夏来とその姉の澪の好意で事務所の一室を拝借した静麻。

 

 金銭的に立ち行かない静麻は、臨終の際のみず取り業を多く始めるがそんな中、誰も場所を知らない、だが確かに存在する、夜雀屋という花屋の噂を耳にする。加速度的に帝都を覆う怪死事件。昆野の技で犠牲者に一瞬の仮初めの命を吹き込み、そのみずを口に含んだ静麻は、真絢と交わる男が部屋の薄がりから伸びた触手に血を抜かれる光景を目にする。
だが男のみずを混じらせたことで静麻は夜雀屋に呼び込まれてしまう。そこで再び出会った咲子。真絢たちを使い血を吸っていたのは、賢者の眼にみずを奪われ出がらしとなった香月の肉体だった。そして咲子はその腕に抱いていたモノの包みを解く。香月の頭部は肉体と繋ぎ合わされ、肉体を取り戻した香月と咲子は再び姿を消した。

 

第三話 予言者の娘

ある日夏来の元に、著名な予言者の娘である大山田楓から手紙が届けられる。自身に危機が迫っており、亡き父と懇意だった夏来に助けを求める内容だった。警官隊を伴った夏来たちは山間の学園寮白虎館を訪れるが、そこに彼女の姿はなかった。自身に起きるであろう予言を日記に書き残していた楓。そこには咲子の存在と、香月のものであろう触手に辱められる楓の艶姿が綴られていた。
だが夏来はそれが捏造されたものであることを明かす。楓は暴漢に襲われたのであり、その犯人は寮母の涼宮静であるという。それは静と楓の父である、大山田備後によって生前すでに予言され夏来に伝えられていた。妾腹の子である静が楓を亡き者にすることを知っていた夏来は、寝込みを襲われる楓を予め避難させ、血袋を忍ばせた精巧な人形を身代わりにしていた。母を失い、父への憎悪を語る静。

 

 だが夏来はそれが誤解であることを告げる。静の母は妾でもなんでもなく、二人に婚姻関係がないのは涼宮家がそれに反対していたからだった。楓も正真正銘の実妹であり、父が引き離された娘を案じていたと聞かされる静だが、それを認めず父から与えられた守り刀を静麻たちに向けた為に警官隊に銃撃されてしまう。
静麻は、誤解から人生を狂わせた一人の哀れな女の、死にみずを取った。

 

第四話 真夜中の鬼哭

相変わらず世を騒がせる猫面相。だが逃亡中の彼女は酷い有様の死体と出くわす。翌日猫面相からの電報を受けて遠山が見たものは、壁に鉄筋で串刺しに縫い付けられた死体。人の手によるものとは到底思えない類似事案はこれで三件目。
静麻はある女性に声をかけられ、夏来の元に初めて客を招くことになった。女優である矢澤鈴は、自身が鬼に狙われているとして夏来に助言を求める。理由に心当たりはないが常にその気配を感じるという鈴に、夏来は静麻を側につけることにした。
三人の犠牲者が静麻の行きつけの店の常連であったことを聞き込みで把握した遠山は、二人の逗留するホテルを訪れる。現在は地方にいる宮大工を加えて元来は四人組であったと捜査に協力する静麻。その返礼であろうか、鈴が一月ほど前に撮影所から姿を消したことで内々に捜索願が出されていることを伝える遠山に、静麻は鬼という事情もあり酌量を求めた。

だが鈴はある夜思い出してしまう。自身があの四人組に犯され、縊り殺された過去を。そこに現れた咲子によって、生きたいと強く願った鈴は人ならぬものとなった。そして気づけば鈴の足元には酷く損壊された、最後に残った男の死体。静麻の身体にわずかに残ったその男の匂いをたどって、鈴の中の鬼はあの日、雨宮探偵事務所を訪れたのだった。

 

 自身が人と共にあれないことを知った鈴は、自身が住まえる場所をどこかに求めて姿を消した。それを殺害現場に立ち会った夏来から聞かされた静麻。鈴と触れ合った時間は彼女が怪物などではないことの証で、静麻はいつかの再会に思いを馳せる。

 

 

第五話 眠り姫の憂鬱

舞台は再び学園へ。天涯孤独となった楓。財産こそ父の遺したものがあったが、これを契機に自立の為に学園の特待生となることを決める。だが図書委員である楓は特待生に関する名簿に、年度の初めと終わりで毎年、一人分の不足が続いていることに気づく。同じ図書委員で特待生の七重五月や同じ学年の特待生、須磨翠璃と御堂絵梨との会話から漏れ出る、一年に一度選ばれる「眠り姫」の噂。だが三人は何かを恐れるようにそれについて口を閉ざす。

 

 

 楓から怪異についての調査依頼を受け取った夏来は静麻と梨花と共に、遠山の協力を得て新任教師と小使いという身分で再び学園を訪れた。そして静麻はそこで音楽教師として赴任していた鈴と再会を果たす。そんな中で静麻は学園に現れた香月から、危機が迫っており学園を去るべきという、咲子の言づてを預かる。四神の館を設計した夏来の父と学園の創設者が生贄をもって作り出そうとする何か。静麻は学園教師二人のみずから、特待生が一人消えた一年前のその日、教師たちが普段どおりの授業と眠り姫を選び出す、どちらも現実にあった二つの記憶を持っていることを知る。

眠り姫の犠牲を止める為に、図書室の魔導書を使い並行世界へと飛んだ楓たち四人。そして彼女らと同じく並行世界へ移った、事前に魔導書に細工をしていた夏来たちの四人。ホムンクルスの怪物に守られながら誕生しようとしていた、人の作り出した機械の神。夏来たちと咲子、香月が怪物を足止め、楓が維持装置の機構を止めたことで、その試みはすんでのところでくじかれた。

 

 無事に事件を解決し、現実世界へと戻った静麻たち八人。学園に留まる学園生四人と鈴。帝都への帰路につく静麻と夏来、梨花とミコミコ。
そんな彼らを遠くから見つめる咲子と香月。彼らの別れを見届けるようにして、二人もまた姿を消した。

 

 

 

 

 

というもの。

お話は謎を残して終わってしまうため非常に続きが気になりはしてますが、続編は出てないそうです。

 

 雰囲気は蟲師に近いでしょうか。

テキストも読みやすく各話で取り扱う事件も違い、でも話が絡み合っていく。

そんな感じでなかなか続きが気になりました。

キャラクターとの掛け合いもコメディとシリアスな部分のメリハリも着いていましたし、大正時代の雰囲気もありました。

 

各登場人物のセリフも吹き出しになっていたのもGoodでした!

久々にのめり込んでやったゲームでした。