腐った果実-Rotten fruit- 感想
★あらすじ
ある集落で暮らす黒い男が、寂れた河川敷で、白い少女と出会います。
★感想
あらすじにある通り、主人公は河川敷にて白い少女と出会うことで物語が始まります。
その少女は甘美な匂いがしていた。
腐った果実のような。
結果から言ってしまうとこの少女は、母親からは着せ替え人形のように扱われ、父親からは虐待を受けており最終的に河川敷にて死んでいたのが確認される。
主人公はカラスであり、河川敷にてこの少女に出会った。
この少女から家庭の事情を聞いたりしてお互いに心を開いていくようになる。
主人公は他の仲間たちから、からかわれておりあまり上手くいってたりもしていないようにも感じた。
なのでそういったのもありお互い惹かれあったのかなと。
最終的には主人公は少女の目を食べる。
一つのエンドだと警察とかはカラスは腐った肉が好きだからというが、主人公はこの少女を体内に取り入れる事で自分の中では生き続ける、せめて自分の中では幸せに生きて欲しいという意味があったように思うし、少女もそれを願った。
本人たちにしか分からない幸せがそこにあったように思う。
そう思うと、少し違う話にはなるがとある国では未だに葬式の時に亡くなった方のお肉を食べる文化があるという。
傍から見たらこのご時世ということもありびっくりしたり中には理解に苦しむという方もいてもおかしくはないと思うけど、亡くなった方が自分の中に生き続けるとかの意味があるとしたら一概に否定もできないのかなぁなんて思ったりした。
そしてカラスが見ていた夢、それこそが本当に少女が生きたかった人生なのかもしれない。