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エロゲは酒の如し

エロゲ、美少女ゲー、ノベルゲーの感想書きます

世界ノ全テ 感想

 

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★あらすじ

8年ぶりに帰ってきたこの地は、まるで異国のような情緒を感じさせた。

御室学園に転校してきた「浩」はかつての旧友と、謎めいた雰囲気を持つ「智子」と出会う。

そして繰り返される日常の中で強まる絆は、彼らを非日常へと疾走させた。

あの冬……彼らは傷つきながらも、何を得、何を失ったのか……。

痛々しいまでにぶつかり合う感情と、切ない恋模様。

そして誰もが「あの頃」を思い返す。

大切な時間……大切な人……大切な想い……。

思春期の少年少女を描いた、長編青春アドベンチャー

 

 

 

★感想

 このゲームは智子がメインの話であるのでその話で感想を書いていこうと思う。(ちゃんと他の子のルートもプレイ済み)

 

主人公は昔住んでいた街に戻ってきて、転校したことから物語は始まっていく。

転校してすぐの主人公は自分の殻に閉じこもっており他人との世界に溶け込もうとはしてなかったように思う。

 

それはクラスメイトに対してもだが、兄以外の家族に対しても同様だったように感じた。

そして唯一の癒しである、ラジオ番組の「オーシャンビュー」。

転校直後はそれが主人公の世界の全てだったように思う。

 

主人公の父と母は兄が優秀だったこともあり、常に比較されてきた。

そのことに対して鬱々と感じており、そういうこともあってより塞ぎ込んでいたのだと思う。

思春期ではよくあることでもあるがその描写が中々にリアルでよかったと思う。

 

 

そして学校に通っていく中で幼なじみと出会う。(同じ学校だった)

そこで少しづつではあるがクラスに馴染んでいく主人公。

そんな中、転校初日から気になっていた智子の存在。

 

ある時、校舎内をふらついていた時に智子がピアノ弾いているのを聞く。

その曲にグッと惹かれていく。

そして度々、智子とは屋上で出会い少しづつ話すようになっていく。

 

幼なじみから誘われてた軽音部に入ることになり、智子も誘い部活に明け暮れる毎日。

部活を通して主人公は少しづつ変わっていく。

そして智子も以前より話すようになっていた。

 

次第に主人公と智子は惹かれあい付き合う。

無事に文化祭で披露する曲も上手く演奏ができるものの次の壁にぶち当たる。

 

どうも、智子の双子の姉は心臓病を患っていたらしく、前に亡くなられていたらしい。

その日記を読んでしまう。

最後のページには智子に対する恨みの言葉が書いてあった。

読んでいるのを見付かってしまい喧嘩にはなるが分かり合いより密になっていく。

 

そんな中、智子の祖母が倒れてしまう。

智子の祖母は昔から智子を可愛がっており面倒をよく見てくれていた。

そして、智子の父も病院に駆けつけて智子を半ば強引に連れ戻してしまうのである。

 

智子と智子父とは仲が悪くそれが原因で親元を離れていたのである。

そして連れていかれる現場を見ていたものの何も出来ずにいた主人公。

 

凹み仲間に励まされ智子を連れ出し、匿うも父親に見つかってしまう。

 

その中で知った智子の秘密。

どうやら心臓病で亡くなっていたはずの姉というのは智子自身であったというもの。

そして、智子姉は智子の心臓を移植して命を長らえていた。

しかし、移植して人格が智子になっていたそうな。

 

智子に父親が「玲子(智子姉)」と呼びかけていたのもそのため。

 

次第に智子の人格は消えていき、玲子の人格が浮上し、主人公や軽音部との思い出が消えてしまう。

そして街ですれ違うも他人として過ごすしかなかったというお話。

 

その過程で智子の人格が消える寸前に智子は主人公に逢いに行くのですが(家出して)その後智子父は服毒して死亡したらしい。

 

 

主人公もそうだけど智子も、他の軽音部もこのメンバーで過ごす事が世界であり全てであった。

しかしながら、歳を重ねる毎にその世界は変わっていき、世界は増えていくようにも思う。

 

が、その段階ではその世界こそが全てであり、思春期ならなおのことだとは思う。

そして智子の父親も亡くなった奥さんと玲子が全てでありそれを失ったことで生きる意味を失ってしまったように思う。

 

 

途中までは智子の家庭環境と主人公の家庭環境は少し似たところもあったりはしたが、結果としては真逆の方向に向かっていってしまった。

主人公の家族は、主人公の言動で色々見直さなくてはと気づき改善をしていくのに対して、智子の家庭はそういったものがなかったようにも思う。

 

REMINDでは少し終わり方がHappy寄りにはなっていたが、このエンドは個人的にはなかった方が好き。

 

良いことも悪いことも出会いも別れも含めて生きていく上では必要で、傷つき傷つかれ生きていくんだという風に感じられるエンドが好きでした。