ほとせなる呪ちとせなる詛
★あらすじ
それは、暗闇の向こうにある彼岸から、いつも見つめている。
見慣れた風景。
見慣れた日常。
知ってますか?
ごくごく当たり前だと思っている世界の向こう側を……
耳をすましてください。
呼び声が聞こえませんか?
ビルの隙間に覗く路地裏のように、
暗闇は貴方のすぐ傍で
その口を開こうとしているのです。
それを止めた者に、災いが降り掛かるという
“閉ざされた少女からのメール”
そんな、ごくごくありふれた都市伝説と、
不思議な因果関係を
窺わせる謎の連続焼身自殺……
様々な謎が交錯する
怪事件の渦中に巻き込まれた主人公が
体験する恐怖の数日間!
この封を開いたその瞬間から
あなたもその……当事者となるのです。
★感想
この作品はまず『女子高生コンクリート詰め殺人事件』をベースに描かれている作品である。
知ってる方も多いかとは思いますが事件の概要を。
その事件(ゲーム内)の被害者がチェーンメールを使い、呪いを拡散しているというもの。
それを食い止めるお話となっています。
その中で色々な都市伝説のお話などが出てきて、民俗学的な方向から見た解説などは中々に面白かったです。
そして、呪いをかけられたものは焼身自殺するというものですが、これに関して個人的に頭を過ぎったものが『人体自然発火現象』。
これまた概要を貼ります。
こういうのもあり、個人的にはすごく楽しめた1作ではあったのですが最後の〆が少し弱かったようにも思う。
あらすじの冒頭にもある『それは、暗闇の向こうにある彼岸から、いつも見つめている』
というセリフで締めくくられます。
呪いは無事に食い止められはします。
個人的な解釈ではあるのですが、死者の世界はもちろんですが、生きている人間世界でも実際に目に見えなくても実在しているものがあったりします。(インターネットやSNSなんかはいい例)
その自分から見た向こう側から見られているぞというもの。
インターネットの例えを出したのでその話で話しますと、インターネットやSNSは実際に人が使ってはいるものの、使っている本人が見ているのはパソコンやスマホの画面であり、実際の相手は見えてなかったりするものです。
ある意味、架空の世界にも見えますがそこにはリアルがあり、色んな人から見られているんだぞという意味があったりするのかなぁと。
そして今回のこの作品の呪いのメールを出した女の子。
この事件現場というのも被害者も加害者も色んなところからその現場を見られていたのかもしれません。
オカルト的な意味でもリアルの意味でもゾッとするような言葉であり、人間と黄泉の国の人もいつも自分達のことを見ているのかもしれないというような感じでありました。
中々に面白い一作でした!