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エロゲは酒の如し

エロゲ、美少女ゲー、ノベルゲーの感想書きます

天ノ少女 感想


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★あらすじ

そして、星は巡る――

昭和三十三年、一月。
珍しく雪が多く、とても寒い年だった。その日灰色の雪が舞う中、少女の葬儀は執り行われた。
雪に包まれた遺影の少女は、どこか気恥ずかしそうで、どこか寂しげな表情で其処に居た――

天恵会をめぐる事件が一応の解決をして数日後、獄中にあった画家・間宮心像が死去した。
時坂玲人は旧知の学芸員マリス・ステラと共に、間宮心像の遺品の整理へ赴く。
そこにあったのは腕のない片翼の天使を描いた未発表作だった。
因縁のある『殻ノ少女』にも通じる、美しさと禍々しさの入り交じったその絵は『天罰』と名付けられた。
それからさらに数日後、『天罰』の天使と同じように装飾された女性の死体が発見された。
彼女はかつて真崎智之と同じ職場に勤めていた人物だった。

殻ノ少女』から始まり、『天罰』へと紡がれていく絡み合った偏執を断ち切ることができるのは、たった一人の小さな少女の存在なのかもしれない。

その愛<パラノイア>は紡ぐ、太陽と、すべての星々を――

 

 

感想

殻ノ少女の最終章となるこの作品。

今回の事件は「天罰」という間宮心像の未発表作品が美術館に展示され、殺人事件でその絵画をモチーフにされていたという事件。

 

そして六識命の逃亡と八木沼のお姉さんの誘拐と死亡事件。

 

最後に幼い少女たちの誘拐監禁事件。

 

主にこの3つでありました。

 

これらの事件を通し、感じたのはやはり今回の事件も各々のパラノイアが起こしたものであったものであること。

天罰事件としては犯人の妹に対するパラノイアと犯人の弟子(犯人は贋作師であり、絵を教えていた)の師匠に対する愛情(これまたパラノイアであった)

 

2つ目は八木沼が姉に対するパラノイアと六識の妊娠や堕胎などに対する異常なまでの潔癖とパラノイア

 

そして最後の事件はパラノイアに囚われていた訳では無いけれど、恐らく脳の疾患により娘の善悪の欠如によってどうしようもなくなり言いなりになってしまった親の話。

これは子供に対する愛情もあり、どうしようもなくなってしまったが故に起きた事件だった。

 

最終章ということもあって主にメインどころのキャラクター達のパラノイアがよく出てきていたと思うし、八木沼の話に関して言えば過去に姉が父親に犯されるシーンなどもあり中々に見るに堪えない話のように俺は感じた。

八木沼は親などに愛情を注いでもらえず姉しかいなかった故に最後に自ら自殺未遂してしまったことや、父親に犯されるとこを見ていたが何も出来なかった事がパラノイアに囚われた理由であった。

 

最後の事件の幼い子供達の監禁事件では犯人の子供とあと2人地下に監禁されているわけですがそのうちの一人が三枝家(犯人家の近所さん)の子供なのですがその子というのが黒矢尚織が預けた子供であり、主人公の時坂と朽木冬子の間の子というのが分かる。

 

時坂自身も気づいてはいたが三枝家で暮らさせることにする。

 

と言った感じである。

 

そしてこの物語、大きく分けて4つのエンドがありそれについて書いていこうと思う。

 

・Unsolved case

このエンドは基本的に今作の3つの事件は解決するものの、殻ノ少女シリーズの根幹となるものは解決されずに終わります。

が、最後のシーンにて真崎と紫が手を繋いで終わるのです。

この2人は恐らく付き合っている(真崎宅に紫がご飯作りに行ったりするなど)と思われるがこの後順調に行き、結婚するのかなぁなんて思わせるようなエンドでした。

 

・それぞれの天国エンド

これは人形集落で昔なじみの生き残りである、真崎と若女将と黒矢尚織のお話であり、黒矢がやり残したことがなくなり警察の目をかいくぐるのにも疲れたのでしょう、自決するエンド(明確に自決した描写はない)

 

・Grand end

月世界のオーナーの葉月さんと警部の魚住が結婚するエンド。

結婚式には虚ノ少女で出てきた雪子なども参列しハッピーエンドであった。

そして各々のパラノイアも解消され殻ノ少女事件の根幹にいた六識も発砲許可が降りた為射殺され無事に事件も解決している。

 

・TRUE END

三枝家に預け、監禁されてた実の娘(色羽)と三枝家には真実を伝えず幸せに暮らしてもらうというもの。

六識も逮捕されそれぞれのパラノイアも解消している。

そして時は流れ、色羽は三枝のご両親が産みの親でないことを直感で悟っていた。

そしてある時郵便にて自分が養子だということを知るが勘づいていた為に驚きはなかった。(三枝の親御さんがなにかの理由で戸籍謄本取り寄せたのだろう)

そして、櫻羽女学院に行きたいと三枝家の両親に伝え入学させてもらえることに。

そして、自分の出自を知るために時坂の所に訪れる色羽。

 

そして時坂を尾行し、井の頭公園のとあるベンチにて奇しくも実の母と同じセリフ

「捜してほしいんだ、ホントの自分をね」

と言い物語は終わる。

 

 

この4つがエンドであり名の通りではあるがTRUE ENDこそこのシリーズのエンドである。

 

 

 

 

ここからは自分の想像や感想など。

このTRUE ENDのあとのお話はどう想像するのかである。

冬子の場合は出自は時坂自身は調べなければ当然分からなかったわけではある。

が、今回の色羽の場合は時坂自身は出自を知っているわけです。

 

なので色羽に説明をすれば終わってしまうものでもあるのです。(しかしながら確実に親子という証拠はない。というのも時坂が血液検査を断った為とこの当時の技術では確実に親子という断定はできなかったため)  

 

しかし、誘拐監禁事件を解決した時に時坂は何も告げず暮らした方が幸せだろうという判断により伝えなかった。

なのでそう簡単に伝えはしないだろうと思う反面、まるっきり冬子から依頼を受けた時と同じ状況で瓜二つの娘から言われたら伝えてしまうのではないかとも思わなくはないかなと。

というのがTRUE見た時の感想である。

 

 

そして、それぞれの天国エンド以外のメインのエンドでは皆が自分なりにパラノイアと折り合いをつけてこれから明るい未来に向けて精一杯生きていく、そして辛いこともあるけれど決してそれだけでなく幸せなこともあるんだというような事がTRUE含めて伝わってきた物語でした。

 

 

P.S.

天ノ少女単品でみるとエロシーンが少ない上に薄かったのが少しばかり心残りではありました。