Inclusion 感想
老朽化のため、取り壊しが決まりながらもいまだ着工されずにいる鳴島団地3号棟。
物語の舞台はそんな最近みかけるようになった、日常の風景から始まる。
愛犬ガッツとの散歩の途中で出会ってしまった「千紗」。
組織に追われ、たどり着いてしまった「龍哉」。
見てはいけないものを見てしまった「遥」。
大切な欠片を探し続ける「史佳」。
真実を手に入れたかった「喬」。
真実を知りたくはなかった「奈依」。
出会いたかった「裕紀」。
信じ続けた「佐里」。
絡み合い交錯しあう人々の想い。真実の糸。新生ブランド「ブーストオン」が贈るマルチサイトノベル
★感想
取り壊しがされてない団地、鳴島団地周辺で起きている事件をマルチザッピングで見ていくお話。
あらすじの8人の視点+最終話という形である。
個人的にマルチザッピングスタイルのエロゲで現段階で1番好きだったかもしれない。
この大筋の話が鳴島団地周辺で起きている殺人事件を見ていくものである。
8人の立場や環境は違えどこの事件に何らかの形で触れており、それぞれ面識有る無いに関わらずどこかで1度は会ってたりしている。
そういったのをしっかり見せてくれたのと、その時のキャラクターの心情やどう感じてたなどが分かり良かったと思う。(マルチザッピングは基本そういうものなのかもしれないが特にこのゲームではそれを感じた)
この殺人事件がメインの話ではあるものの人と人との繋がりというのも書かれたものであったと感じた。
このゲーム自体そんな長くないからなのかあんまり深くまで書かれていないところもあったりして気になる所もあり。
【個人的に気になったところ】
・結局408号室の“騎士様”と呼ばれてた存在は一体なんだったのか?
・遥かの見た赤い人の影は結局なにか?
このふたつは気になってたりしています。
答えが出てないので推測にはなってしまうのですが、この「騎士様」は以前住んでいてレイプ殺人をしていた常石なのかなとか思っていたりします。
都市伝説的な感じでその事件の噂が回りに回ってそのような形の噂になったとか……
赤い人影はその常石の霊なのかもしれません……
ただこの常石に関する話が少なくてなんとも言えないですが。
この人のエピソードを掘り下げてくれればもっと楽しめたようにも思います。
ですが、この話のメインの事件は常石の起こした話ではなく現在進行形の方ではあります。
結構犯人はすぐ分かるかと……
その犯人の動機はまぁよくある理由ですが途中から快楽的になってきてるのもなんかリアルだなと感じました。
最終話は牡丹が幽霊になった時の視点だったのですがどうせなら前述した常石と牡丹の話を見たかったです。
トータル的にまあまあ楽しめた1作でした