傾城 感想
★あらすじ
春の宵、満開の桜。
疲れた足を引き摺って訪れた奉公先の遊郭、紅藍楼。
何もかもが珍しく、物悲しいまるで人やの夢のような世界。
そこには安息なとは無く、夜毎繰り返される遊女と客との秘め事、哀歓、そして陵辱。
傷口を更に抉るような数々の出来事。
それが主人公良介の日常。
遊郭紅藍楼を舞台に繰り広げられる遊女達との純愛物語。
★感想
この作品は大きくわけて2つに分けられています。
早緑ルートと初月ルート。
このその大きな2つのルートで他のヒロインのエンドもあるといった感じです。
早緑ルートでは草露エンド、橘乃エンド、早緑エンドが見れます。
初月ルートでは黒鉄エンド、都エンド、みなつエンド、時雨エンド、初月エンドが見れます。
この早緑ルートと初月ルートではテーマ性が少し違っているように感じました。
早緑ルートでは早緑エンド以外では早緑は死んでしまいます。
それに落ち込み塞ぎ込む良介。
ですが他のヒロイン達の前向きに進んでいく気持ちやポジティブさなどにより良介も前を向いて生きていくことを決意します。
ヒロイン達も仰ってますが早緑も良介には幸せになって欲しいと願っていたと思うし、そう良介も思うようになり早緑の分まで生きていく。
良介自身、早緑を死なせてしまったのは自分だと思っており、きっとそのことを早緑は恨んでいると思っていることと助けられなかった懺悔というのがあるとは思うが、必ずしも亡くなった方は生きている方を恨むとは限らない。
大切に思ってた人であるならば長く幸せに生きて欲しいと思ったりもするもでは無いかと思う。
なのでこのルートでは大切な人が亡くなった時にはその人の分も幸せに長く生きる大切さというのが伝わる話なような感じでした。
初月ルートでは何事にもめげずにいけば必ずいい方向に物事は転がっていくように感じた。
基本、この遊郭での良介の立場はかなり低いしいいように使われている。
その中でこの遊郭の悪い事を侍達(いい方向に国を動かそうとしている)と共にいい方向に大切な人を守る為、そして自分の将来やこの国のために動くわけです。
そのために苦しいこともぐっと堪え動くわけです。
早緑ルートと違うのは初月ルートでは主人公はいい方向に転がるようにもがく訳です。
そして無事、良介の、そして皆の思う理想の国に近づくような形でエンドを思うルート。
生きていく上で確かに苦しいことも多いけど、前向きに進んでいけばきっといい方向に向かうような明るいルートな様に感じました。
それとは別に時雨エンド。
このエンドは好きな人と来世で結ばれそこで幸せに過ごせるというもの。
この話でも主人公は強く前向きに進んでいっておりますが時雨は薬のせいで身体が弱っており、途中で亡くなってしまいます。
その亡くなる寸前で光中見たかったと言いなくなってしまうのです。
そして良介は心中してしまいます。
そして来世で2人はまた出会い、そこで幸せに過ごすのです。
何となく中島みゆきの「糸」を思わせるようなエンドのように感じた。
なぜ巡り会うのかを
私たちは
何も知らない
いつめぐりり逢うのかを
私たちは
いつも知らない
どこにいたの
生きていたの
遠い空の下
2人の物語
この歌詞のようなエンドでした。
そして、因果応報が似合うような作品でもあったように思いました。
いいことも悪いことも全て自分に帰ってるというのも含まれていると感じました。