effect~悪魔の仔~ 感想
だったら、どうして……
どうしてあの時
誰も助けてくれなかったの?
そんな清衣の独り言を、ふと耳にした時から『ボク』の周りでは、少しずつ、だが確実に、何かが変わろうとしていた。
ある人は“悪魔”だと陰口をきく。執拗かつ激烈なイジメを繰り返し、彼女が苦しむさまを目にしては、陰湿な悦びを享受する。
別の人は彼女こそ“神の仔”だと崇拝する。彼女の力こそ、この、穢れきった世界を浄化する最終手段だと確信する。
「…………」
しかし、当の本人は何も語ろうとしない。
誰にもココロをひらこうとしない。
清衣はただ一言、『ボク』にこう呟いた。
「私にはココロがない……」と。
……『ボク』に、彼女のココロのトビラを押し開くことはできるのだろうか?
いつか、その日が……
★感想
この作品は宗教やイジメや超能力は話に絡んではきますが、どれもこの物語のファクターでしかなく『出る杭は打たれる』この世の中についてや力あるものによって考え方などが左右される人々について訴えてくる作品だと感じた。
人は自分ないしは大多数の人が持ってない才能に嫉妬し時には憎悪する。
そして場所によってはその才能が原因でイジメや無視などに発展する。
それを周りも仲間になってやるか見て見ぬふりをする。
しかし、同じような才能を持ってたとしても自分たちにメリットがある場合にはよいしょをし、その才能が(才能がほんとであれ嘘であれ)力あるものにより『インチキ』や『ズル』と言われると手のひらを返して結局は前者と同じようないじめのようなことに発展していく。
このような事をメインに書いたお話であった。
バットエンドでは自殺してしまったりその事に首を突っ込んだ主人公も病んでしまうエンドがバットエンド、前向きに生きていくエンドがハッピーエンドとなっていた。
他の国のことは分からないが、これは日本では大なり小なりよく見かける光景でもあり個人的にはこのような特別な才能を持った人に嫉妬していじめに発展していくのを見てあまりいい気分をしない人なので中々に見ててしんどいところもあったりはした。
バットエンドはほんとに誰も救われない。
いじめの話とは薄々知ってはいたし察しはしたけどこうもリアルなイジメの話だとは思わなかった。(いい意味で)
楽しかったは楽しかったが清衣さんの宗教関係についてや人公の父と母の離婚した話などバックボーン的なところをもっと深く掘り下げて書いてくれればなおよかったです。