小雪の朱 感想
「そう、これは、休校から始まる物語ー」
「―そしてー」
「ー別れるための、物語ー」
記録的な大雪ゆえ休校となってしまった学園に、余儀なく足止めをされてしまった主人公達。
同級生の自己中女子、なし崩しな関係を持つ先輩、悪友の妹、力尽き昇降口で行き倒れていた後輩、そして主人公の元恋人だった女教師。
彼らが一同に会した時に天候はさらに悪化し、帰宅はおろそか外出もままならぬ状況に陥り、結果学園は陸の孤島と化してしまう。
日常とも非日常とも言いかねる時間が流れる時、彼らの微妙な距離が浮き彫りになっていく。
それは全て、『別れ』へと繋がる物語だったー。
雪は、全てを覆い隠して笑っている。
★感想
このゲームは自分たちとの過去と向き合い前に歩き出すゲームだと思う。
登場人物で過去の悩み、引っかかりや後悔が出てないのは親友の公生と保健室の先生の2人のみで主人公含め他ヒロインは何かの過去を引きずって生きてきた。
それをこの学校に閉じ込められた状況で己と向き合い周りと人達と関わり前に進んでいくゲームだと思いました。
想い出の彼方の冬バージョンと言うべきかとも思った。
このゲームの説明書きにある『別れ』は過去との『別れ』で新しい未来への『出会い』なのでもあると思った。
七不思議を題材にしてるものの、それ自身はこの物語のファクターでしかなくホラーやミステリーを期待してると違う方向の話になるので肩透かしかもしれない。
どのお話も面白かったものの個人的には蕗乃ちゃんとかざりの話はすきでした。
ぜひお手に取って欲しい1作でした。
P.S.
この蕗乃ちゃん好きです