Remember最愛の妻が他の男の腕の中で微笑む、もう1つのIF 感想

主人公『篠崎小太郎』は、妻『朋香』と娘『萌香』に囲まれた幸せな日々を送っていた。

だが、ある日交通事故に遭い、生死の境をさまようほどの重体に陥る。
朋香と萌香は嘆き悲しみ、最愛の夫が回復することを祈った。
その思いが通じて、奇跡的な回復を遂げた小太郎。

だが目覚めた時、隣にいた女性は朋香と萌香ではなかった。
昔亡くした最愛の彼女『橘真希』。
その彼女が、小太郎の妻として寄り添っていたのだった。
朋香はこたろうの友人でしかなく、愛娘の萌香は存在していない。

死んだはずの真希は生きていて、自分の妻として生活している。
そこは小太郎が歩んでいたかもしれないもうひとつの可能性。
IFの世界。

★感想
 
 一応NTRゲーとのことでアトリエさくらも『究極の寝取られがここに！』と謳っていますが、なんとも難しい。

 主人公は現奥さんの朋香と付き合う前に真希と付き合っていて、事故で真希を亡くしている。
その後から朋香の献身的なサポートがあり惹かれあって(朋香自身は前から小太郎が好き)結婚して子供を作ったわけです。

 が、小太郎の中では未だに真希に対する罪悪感があった。
『自分だけが幸せになってもいいのか』という思いがあった。
 
 真希が亡くなった時に比べれば小太郎の精神的部分はだいぶ落ち着いては着てるもののそこが引っかかっていた。
それを引きずりながら人並みの幸せを受けて生活をしていた時に小太郎が事故に。

 なんとも偶然なのがそれが真希が事故で亡くなった時の日にちであった。

 そして目が覚めると真希がいて真希との結婚生活をしているらしいことを知る。
 ここから本編で2つのルートがあり、それを読むとTRUEが解放される流れです。

 1つ目のルートが真希が亡くなり10年も寄り添っていた朋香がやはり忘れられず真希に隠れながら朋香と付き合うルートで最終的に主人公は現世？で目を覚ますことは無い。

2つ目はそのまま真希との結婚生活をし、朋香は真希の兄である隆一と付き合うというもの。
ここで現世？での奥さんを親友兼真希の兄の隆一に寝取られるというわけである。
 でも難しいのがこの世界の場合は別に朋香と付き合っている訳では無いってところ。
 実際には現実世界では結婚してるわけなのだけれど……

 この2つの体験を通し、主人公は朋香と付き合う場合には真希への罪悪感、もう1つの真希と結婚生活を取ると朋香を隆一に取られる訳だがそれに耐えられないということ。

 そこでTRUEでちゃんと真希に踏ん切りを付けるため朋香と結婚しててその旨を伝え真希も好きだが朋香との生活を捨てられないことを告げる。
 真希自身昔に、結婚式をあげたいという願いもこの場で叶えようと思い結婚式を上げ翌日に主人公はifの世界で事故に遭い現世に戻るというもの。

 なかなかにもどかしいというか何が正しいのか考えさせられるような作品でした……
 
 TRUEの最後に事故にあい、現世に戻ってしまうのが分かってるにも関わらず、真希の笑顔で見送る様やそこで出てくる選択肢の『行ってくる、真希』にはほんとに涙でした。
真希ルートとTRUEエンドで喫茶店の落書き机に真希が相合傘で真希とこたろうの名前書いたやつが、主人公が現世に戻りその机を見ると『Remember that I love you』に書き変わっておりもうここでも号泣……

 真希も主人公をやはり愛していたんだなと、そして亡くなってしまったがゆえにと思うと胸が苦しくなった……

 でも俺は主人公がこの黄泉の世界で彷徨い決断したことは間違いではないし否定できるものでもないと思う。

TRUEの真希が言っていた

 一生懸命生きるってのは、全てが上手くいってるって事じゃないと思う

上手くいかなくて、どうしたらいいか考えて、考えて、考えて。

それでも上手くいかなくて、でも諦めなくて
自分のすべきことを一生懸命考えて。それが今を一生懸命に生きるということだと思う

がこの物語の伝えたかったメッセージのひとつかなとも思った。

 そしてその言葉で主人公は前を向きゆっくり進め始め真希は主人公を暖かく見守ることが出来たのだろうと思った。

ほんとにおすすめの1作です！