加奈~いもうと~ 感想
胸が痛むほど、感じてください。
誰かを、大切に想う優しさを……。
幼い頃のあの日、病弱な妹は「憎むべき存在」から「絶対に守るべき存在」となった、なにが起ころうと、彼女を守ってあげることが兄である自分の幸せだった。
妹の一緒に幸せがいつまでも続くように祈る兄と、その兄の背中を見つめ続けてきた妹。
互いを大切に想う心はいつか、愛情にも似た感情へと昇華していく……。
★感想
この作品は「命」に対してと「どう生きていくか」と「周りの人々の想い」が詰まった作品でした。
唯一『はじまりのさよなら』というエンドだけ加奈が無事生還し、強く前向きに生きていくエンドでそれ以外は加奈は亡くなってしまう。
個人的にはノーマルエンドの『追憶』と知的エンドの『雪』が特に好きで雪ではボロボロ泣いてしまいました……。
加奈の病魔に襲われながらも闘い続け強くある様や兄の加奈に対する想い、両親の想いや叔母の死に対する心構えや残される家族への想いや意思や主人公の従妹の香奈の母への思いと自分の病気など色々な想いが合わさって深く考えさせられる作品だったし、泣ける作品であった。
主人公の父が一番不憫だなと思ったのは、実の妹の乳がんによる闘病と死、義理の娘とはいえ娘の病魔、姪の病魔と一番残される立場の中では辛い想いしたんだろうなと思ったし、色んな決断は相当の覚悟と勇気があったと思うとまたなんともやるせない気持ちでいっぱいになりました。
こういう作品やって思うのが、自分自身五体満足で産まれてきて未だかつて大きな病気や怪我もなく生きてきた。
加奈みたいな子達が一生懸命生きているのに一体俺はと思うとできることの選択肢の多さなども多くなるのでもっと色々挑戦して最後に後悔しないように生きていこうと思うような作品でした。
ほんとにボロボロ泣いたし胸にくる作品でした!