あやかしびと 感想
★あらすじ
人妖。
「人妖病」と呼ばれる病気に罹患した特殊能力者の総称。
その少年は人妖だった。
通常、人妖病患者は政府により地方都市『神沢市』への強制隔離を命じられるが、少年はその秘めた危険性ゆえ、孤島の特別施設への収容を余儀なくされた。
少年はそこで10年以上の月日を過ごしたが、ある日『すず』という少女と出会い、彼女と共に脱走する。
少年は『如月双七』と名前を変え、神沢市へ潜り込んだ。
憧れていた平穏な日常や学生生活ー他人にはどんなにちっぽけに見えても、彼にとってはかけがえのない大切なものだった。
だが、すずの『ある秘密』を目的とし、政府機関や邪な存在たちが彼女をつけねらう。
ちっぽけな夢と愛する人々を護るため、如月双七の戦いが今始まる。
★感想
プレイしてまず感じたテーマは『愛』。
その愛でもこの作品にはもちろん、恋愛的な意味の愛もしかりですが、友情愛や家族愛の大切さ。
そして人との繋がりと普段何気ない日常の大切さ、そして欲望。
この如月双七は幼い頃に家族を失い、施設に入れらるもいじめにあう。
人の温かみを常に欲していた。
それ故に入れら脱走し、普通の幸せを手に入れたかったのだと思う。
脱走した先で色々な人と触れ合い優しさに触れ、双七は成長していく。
それと欲望。
双七の様な普段の生活をしたいという欲望ならいいのですが、九鬼先生のような最愛の息子を殺したやつを殺したい欲望や、幻咬のように先祖返りを求めたりと闇に落ちるような欲望も書かれていました。
某漫画にて『復讐はまた新たな復讐の種を産む』(うろ覚えでごめんなさい)と言うようなフレーズがありますがそういった意味も込められていたのかもしれません。
すずルートの1つでは現に九鬼先生は過去は優しく強かった人だったのが、復讐に囚われ終いには地獄へと堕ちるのですから。
そしてその復讐は結局何も産まずでした。
あの場に零奈がいたら復讐に囚われていたかもしれません。(別ルートでは復讐に囚われていた)
ただ、そういう負の感情を持っていた人であっても勿論良い感情もあり、負の感情を持つ理由というのも一概に全否定できるものでもないなとは思いました。
ある意味この作品は人の温かさと醜い欲望などが合わさった作品でありそれは人間の心を見ているようなものでした。
そして、この作品はいい人が多いようにも思う。
特に主人公サイドの人達。
皆、根っからのお人好しであるように思いそれがまた個人的によいしょよいしょのシーンでウルウルさせられたりでした。