甘い奸計 感想
★あらすじ
屈辱の過去。
仕組まれた甘美すぎる罠。
濃厚に絡み合う関係が運命を変える……
大畑伸也、学生。
彼がいつものように校門を出ると、女が立っていた。
いい女だ。
彼女は伸也に紙袋を託すと姿を消してしまった。
茶色くて古臭い無地の紙袋の中にはズシッと重量感があるものが入っている……「拳銃だ。」
これから運命を狂わせることになる「ブツ」を鞄に入れ伸也は歩き出す。
★感想
このお話はエンディングが4つあり結末は違えど読むとそれぞれキャラクターの思惑がわかる形になっていました。
1周あたりもそんなに長くはなかったです。
さて、このお話は結果からいうと復讐劇でした。
主人公(伸也)の幼なじみと最初に拳銃を渡してきた金髪の女性は姉妹でした。
この姉妹の両親は工場を経営しており、大山組の地上げにより借金をしていた。
借金の肩代わりとして拳銃を50丁作らされます。
作り終えた段階で工場が取り壊されてしまうのです。
その大山組と伸也父はこの事件で裏で繋がっていたのです。
そして幼なじみ姉は伸也父に犯されていたりもしたのでした。
その恨みを晴らすための計画で伸也に拳銃を渡すのです。
その拳銃も改造されたものでこの伸也父の復讐劇に使われるものでした。(51丁目をひっそり作っておりそれがこの銃)
その弾丸には殺す人の名前が刻まれており、最後の1発は暴発するようになっていた。
というのも最後に伸也父が拳銃を奪い打い撃つと仮定してのものでした。
名前を刻まれていた人は工場を潰した大山組の幹部2人の名前てありました。
ここにヒロインの1人である大山組の一人娘と伸也の昔なじみの武が絡んできます。
大山組の一人娘は伸也に1人の「普通の女の子」としてみてもらいたいという思いがあり(伸也の事を好いていた)ほかの女子とイチャイチャしてるのが許せなかった気持ちがあった。
そして大山組の幹部が殺されたのは状況証拠的に伸也だと思い恨むという感じ。
武は伸也父に犯されたりしたのに加え少年院にぶち込まれた恨み、そして大山組に入ったのだが幹部にのし上がりたい思い。
これらが絡み合った事件となっていました。
エンドによっては大山組の一人娘は嫉妬心だけの場合もあったりでした。(幹部を殺したのが武だと知った為)
この物語の行方がどうなっていくのかや、終盤のそれぞれの思惑や過去が分かり結構楽しめました。
が、少し疑問?があります。
この物語の途中で金髪が伸也に撃たれるのですがその弾がちょうど3発目。
その3発目がペンキ弾で殺傷能力が無いものでした。
これ、伸也が仮に撃たなかったりした場合は次に撃つ予定になっていた人にペンキ弾を撃ち込むことになったり、逆に沢山撃った場合などそこら辺の計画の甘さが気になったりはしました。
結構、主人公の行動によってかなり左右されてしまうような計画な感じがあったので恨みがある割には詰めが……とは思わなくはなかったですがお話としては楽しめました。