冬虫夏草 感想
★あらすじ
心が憎しみの赤に染まる時。
僕の中で、何かが目覚めはじめる。
彼は戸惑っていた。
当たり前の日常に。
退屈な日常に。
事あるごとに繰り返される、
いわれの無い暴行に。
しかし。
彼は、まだ気づけないでいた。
自分の中に潜む……
“もう1人の自分”の存在に。
物語は夢から始まる。
思い出すことの出来ない、不思議な夢。
いわれの無い、暴行。
そして……
初恋の少女、真琴と10年ぶりの再会
それらは一見、何のつながりもない事のように思えた。
だが……
★感想
あらすじにもある通りではあるが、主人公の中に何かが潜んでいた。
夢で何かの記憶らしきものが映し出されもしていた。
そして坂口という不良に「ムカつく」という理由でずっと絡まれてきたのであった。
それ以外は普通の学生である。
とある日に以前の幼なじみである真琴が主人公の地元に戻り同じ学校に通うことになったのだ。
そして主人公は変な声を聞くようになる。
どうも内側から聞こえる。
その正体とは?
そして主人公はどうなるのか?
と言った感じです。
結論から言うと、主人公が住んでいる町は以前、理由までは分からないが何かしらあって人間達が❝犬❞を駆除していた。
それも町ぐるみで。
それは何百年という昔の話。
が、その村の1部の人間は犬達に同情し塚を建てた。
そして村の名前も犬塚村に変わったそうな。
そして、その塚にはかつて殺された犬の恨みや欲望が詰まっておりある時にそれが溢れ出て産まれたのが主人公であったという感じです。
そしてそれぞれのルートで主人公は人間としての自分を取り戻していくというもの。
表向きはそういう感じではあるが誰しも大小問わず恨みや欲望というものは存在していると思う。
それをどう折り合いを付け向き合っていくかというのが大事なのかなと言うのがひとつ。
あとは過去の事件というものは悲惨なものも当然あったりするもので(その土地などの)そういうものを忘れてはいけないという戒めなどもあるのかなぁと思わせるような作品でした。