天使憑きの少女 感想
物語は、4章仕立てのオムニバスストーリーとして進行する。
それぞれに共通するテーマは、各登場人物が抱く『願い』と、それに関係する『奇跡』。
人間の思い描く『願い』には様々あるが、それがいかなるものであろうと、紛れもなく人間が求める『未来像』である。
その『願い』を、『奇跡』をもたらす者たちはどう捉えるのか。
物語の中に登場する、自らを『天使』と名乗る者たち。
彼らの与えるものは、嘲笑か、断罪か……
闇の中から響く鈴の音と、気高き神格を帯びた花の香りが、今、少女の前に降臨するー
★感想
まず、オムニバスとは謳いつつも話は繋がってます。
テーマは命の重さや人工移植に対する1人の医者の思い、患者の思い、患者の家族の思いだなと。
あとは『奇跡』。
そして生死感。
少なくとも自分がやったエロゲの中にはないテーマ。
キリストの話も出てきますが、奇跡はそう簡単に起こるものでは無いとこの作品で、出てきますが確かにと思う反面、このお話はかなりの奇跡だなと思った。
でも作中でもこんな奇跡はかなり凄いことで滅多に起こるものではないと言っているけど……
それを踏まえてもやっぱり奇跡というのは簡単に起こるものでは無いということ。
あとはやはり『生きる』ということ、『生かされてる』ということ。
ここで澄香というキャラが心臓が弱いため入退院など繰り返しているが、この子はなかなか前向きに生きている。
この子を見てると自分の置かれてる立場がどうであれ前向きに生きるというのはかっこよく美しいなとも思ったし、個人的には好きでした。
それと、この作品の主人公の真里愛が心臓移植に対して色々葛藤する。
ドナーは提供OKとなっているけれど結局移植をすることでその前ドナーは亡くなってしまう。
脳死と判断されていたとしてもまだ心臓は動いているということで抵抗してしまう。
ここら辺の葛藤や思いもすごく考えさせられるなとやってて感じたこと。
作中で言われますが誰かの死の上に人は生きていると言ってるが特にこの医療現場なんかでは尚のことだろうなと思う。
色々と考えさせられる作品でした。
改めてやり直しましたがいいゲームです。