暗い部屋 感想
光の入らない閉ざされた部屋で、少年は母の死体のそばに座り込む。
腐り始め、においを放つ死体を眺めながら、少年は慌てることもなく
静かに自分の死を意識する。
やがて空腹と疲労に耐えかね、寝そべったその時、部屋のドアは開かれ、
少年の新しい生活が始まる。
★感想
このゲーム一言でまず表すのなら『上手く噛み合うことの無い家族模様』ってところだと思う。
たまたま舞台が家族なだけで実際に人間関係で噛み合うことがなく辛い思いをしたり、もどかしい思いをしたりとかすることはあると思うけどそれを上手く書いた作品であると思った。(特に心理描写)
もともとの原因というのは中々に難しく、多分根幹にあるのが輝子さんのお姉さん(寿子)に対する嫉妬だと思う。
結局謙二さんと付き合い結婚したのも、学生時代から芸術の才能に恵まれ自分のことを誰も見てくれないという思いの中、寿子に思いを寄せる謙二と付き合い結婚することで寿子から奪った、やってやったぞという思いがあると思う。
が、結婚するにも(駆け落ち的な感じにはなったが)輝子と謙二は共に学生で子供を育てるには早かったんだと思う。
謙二はずっと輝子の姿ばかり追いかけて、輝子に関しては子供のまま大人になってしまったような人なのでやはり家庭環境は良くはなかった。
謙二は家庭に無関心、輝子は自分の都合のいいようにしか理解しなかったり、思った通りに子供が行動しないと癇癪起こしたり、宗教の活動にカマをかけて家事を全くしないなどでそのせいでしわ寄せが全て子供に来たわけである。
それを見兼ねて結果的にではあるが外に子供を作ってしまって無理にでも家をでた兄の英が1番なんやかんや未来的に幸せに暮らせてる?のだろうと思う。
主人公の精太郎の所の家庭環境も複雑で、寿子自信芸術の才能はあったものの血の繋がった人しか愛することが出来ず、寿子の父と性行為を行い出来たのが精太郎である。
つまり精太郎の父は祖父でもある。
そして精太郎が精通をした際に寿子の態度が変わり僧侶として接したり子供として接したりと1人2役で接しなければ行けなかったようである。
結局その寿子は芸術をするにあたり陽の光を入れると朝と夕方の陽の差し方で作品の見え方が変わるという理由で窓などをベニヤ板で塞ぎ、元々体の弱かった精太郎のために家で過ごさせたことが監禁と思われたらしい。
そして寿子は自分が個人輸入してた薬を飲み、心臓麻痺で亡くなり、精太郎は食べることなどもしなかったせいか瀕死寸前のとこで助け出され、叔母の輝子さんのとこに行くことになる。
輝子が精太郎を家に向かい入れ元々壊れかかった家庭に入り、より家庭環境は乱れ輝子が精太郎に不信感を抱くようになり精太郎の祖父の元へ預けようとした際に父でもあり祖父でもあると告げられ取り乱した輝子は事故で亡くなってしまう。
そして輝子をずっと追っかけてきた謙二はかなりのショックを受け娘の李衣子を輝子に思い重ね犯してしまう。
事の重大さに気づき、首を吊ってしまう。
そして警察に李衣子と精太郎が預けられそこで事情聴取で何があったかを話すという感じである。
その話の内容がバババっと書いたような内容だったり輝子宅での話が主である。
李衣子も精太郎が最初家に来る時は反対だったものの結局はコミユニケーションをとってくうちに1番信頼できる人となっており精太郎自身もそうてあったのだと思う。
李衣子自身、母の宗教活動でずっと虐められてきたのもあって心の拠り所が結局そこにしかなかったのだと思う。
そして誰より1番家族の愛に飢えてもいたんだろうなぁとも感じた。
最後のベンチで李衣子と精太郎が2人で座ってるカットで終わるがこの後2人は幸せに暮らすんだろうなぁと勝手に思ってます。
なんともすごい作品であって某会社から発売禁止くらったのもまぁわからなくもないかなぁ思うけど瀬戸口さんのいいとこぎゅっとまとめましたみたいな作品でした!