繭~雪のナイフ~ 感想
現実と幻想の狭間で揺れ動く繭の物語
迷宮の奥に伸びる繭の糸
導かれた先に見えるのは……
主人公 閑馬の元に故郷の幼なじみから手紙が届いた。
『約束の場所で待ってる』
不思議な文面に導かれ一人故郷の地へ戻る閑馬。
そこでたどり着いたのは大きな古びた屋敷『呉羽邸』
屋敷の中の一癖二癖もありそうな面々。
幼なじみそっくりな姿をした少女 繭
明るく無邪気で可愛い客人 雪花
おしとやかで素直な 八代
謎を秘めた妖艶な元女教師 館の主 黄薔薇
呉羽家の長男で美しき青年 シャガ
双子メイド 苺と杏
呉羽家の前主人の秘書 蘭丸
誰もが何らかの目的を持って暮らしていた。
屋敷に迎えられた日の夜、扉の下に一通の手紙が差し込まれていた。
それは血文字で書かれた謎のメッセージ
白雪姫は林檎を求む
訳が分からない焦燥感に苛まれつつ日々を過ごす内に事件は起きた。
無惨な死体となってその姿をさらしていたメイド見習いの少女。
その時住人の中に張りつめていた1本の糸が切れた。
一人一人が疑心暗鬼にかられお互いの保身と野心で人間関係が崩れていく。
互いを牽制し合う中で現れる第2の犠牲者。
一体この屋敷の中に何があるというのだろうか?
犯人は誰なのか。
なんの目的で殺人を行うのだろうか。
そして繭との関係は?
閑馬はなんの為に呼ばれたのか。
事件を巡るそれぞれの想いと過去。
物語は複雑に絡み合い無限の螺旋に落ちていく……
★感想
このゲームは館もの+ループ物。
それでいて主人公のみループの記憶を引き継いでません。
なので主人公はこの屋敷を訪れるたびにその記憶がありません。
主にこの話のテーマは人々の願いと願望といったところだと思います。
不老不死だったり、好きな人に気づいてもらいたいや一緒にいたい、このずっと続くループから抜け出したい、屋敷に恨みがあり最終的には自分のものにしたいなど……
それによってこの屋敷の事件が起こると言った所でしょうか。
ループはこの呉羽家に昔から伝わる力が作用しこの現象を引き起こしたらしいです。
それなりに自分は楽しめましたがオチがゆるく、はっきりとした終わり方をしない為スッキリした終わり方はしません。
が各々の想いや願いはわかり、殺人の動機などは分かります。
犯人は自分は見事ハズレましたが……
サスペンス館ものとしては普通に楽しめましたがちゃんとしたオチを見たい方には物足りない作品かと思います。